本日は連休の真っ只中です。しかも本日は令和5年5月5日で5並びの「みどりの日」です。連休中に申し訳ないですが、今回はマーケティングのお話をしたいと思います。
クライアントからのお悩みのひとつに「年々ビジネスが難しくなってきた」と言われることがあります。どの業界でもそうなのですが、同じ業界で他の会社と同じようなビジネスのやり方をしているとドンドン利益が減少してきます。サプライチェーンの間に入っている会社やどこにでもある商品を取り扱っている会社等はかなり厳しい状況になってきているようです。また新規向けのビジネスや新規向けのようなビジネスモデルになっている会社もなかなか厳しい状況にあるようです。
そこで最近のマーケティングではBtoB(法人取引)であっても、LTVを重視するようになってきています。LTV(Life Time Value)というのは顧客生涯価値のことです。ある期間での顧客からの売上合計の数字、つまりお客さま別による売上の計上方法です。新規のお客さまを増やすことも大切ですが、それよりも既存のお客さまからの追加の注文であったり、別の商品、サービスの注文や契約をしてもらう動きが活発化しています。
その理由は2つあります。
1つは新規のお客さまを獲得するよりも既存のお客さまから注文をもらうほうが簡単なことが多いからです。まだ関係ができていない、しかも売上もない潜在顧客に営業するよりも、すでに関係があって、売上をもらいながら営業できるほうが営業にとって簡単なことが多いからです。
もう1つの理由は既存顧客に営業するほうが利益が増加するからです。新規向けの場合、まず顧客獲得コストと呼ばれる広告やそれに関する人件費、特別な取引条件を用意するコストなどがかかります。これらが既存顧客になると発生しなくなります。そのため既存顧客にかかる販売経費は新規顧客にかかる販売経費の1/5ほどに圧縮されます。
同じ売上高であっても新規顧客向けにやっているビジネスと既存顧客向けにやっているビジネスでは利益が大きく変わってくることになります。
我々会計人も経営分析分析をする際には以前、売上項目は内容により、また主要商品ごとに分類していました。しかし最近ではより細分化して、顧客ごとの売上数値を分析するようになってきました。
今後のマーケティングでは、会計というツールを活かして「顧客のファン化」や「顧客収益の分析」をしていく必要があると言われています。