「決算書」は誰の為につくるのか?クライアントの経営者に尋ねると、「金融機関提出のため、税務署に提出のため、株主に報告するため」という回答が返ってきます。税理士試験に出てくる財務諸表論では、「財務会計は利害関係者の意思決定に役立つ会計情報として、企業の経営成績及び財務状態を明らかにすることを目的とする。利害関係者への報告は損益計算書と貸借対照表、キャッシュ・フロー計算書を中心とする財務諸表により行われる」とあります。ここでいう利害関係者は、株主、債権者等を言います。
クライアントの経営者が仰るように、決算書は金融機関や税務署や株主に報告する為につくっているのが正解です。確かに借入をする時や税金を納付する時には必ず決算書を提出するので、それも一理ありますが、それでは勿体ないなと常々思います。
決算書は一年間の成績であり、経営者にとっては通知簿みたいなものです。努力すれば報われ、サボればしっぺ返しがきます。決算書を理解すれば、会社の弱み・強みが見えてきて、今後の打開策が見えてきます。1年間の自分の通知簿として振り返るためにも、「決算書は自分の為につくる」というスタンスで経営すれば、良い経営が出来ていくと思います。