消費税免税事業者等から反対の声が多いインボイス制度について、政府与党が来年10月のインボイス制度導入で消費税を新たに納めることを選んだ中小事業者に対し、税負担を和らげる激変緩和措置の導入を検討していることが11月17日に共同通信が伝えました。対象は、新たに消費税課税事業者となることを選択した中小事業者です。18日に始まる与党の税制調査会で詳細を詰め、例年12月中旬頃に公表する2023年度の税制改正大綱に盛り込む予定です。ここで簡単に消費税インボイス制度を説明します。
インボイス(適格請求書)とは登録番号や取引内容、取引金額、消費税額など、法定事項が記載された請求書や納品書、レシート、領収書等のことです。
インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは令和5年10月1日から導入される消費税の仕入税額控除の方式のことです。この制度が導入されると、売手側と買手側は新たな義務を負うことになります。売手側の義務は買手側(課税事業者)から求められた場合はインボイスを交付し、その写しを保存しなければなりません。逆に買手側の義務は売手側(適格請求書発行事業者)が発行したインボイスを保存しないと、原則、仕入税額控除ができなくなります。
最も影響が危惧されているのは、これまで消費税の納税が免除されていた売上1000万円以下の消費税免税事業者です。免税事業者に仕事を発注する企業等は、免税事業者に支払った消費税分を控除できなくなります。このため、免税事業者との取引を控える動きが予想されています。消費税免税事業者は課税事業者となり消費税を収めるか、取引停止のリスクを受け入れるかの選択を迫られています。今後公表される税制改正大綱を注視していく必要があります。
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