昨日11月23日は日本人にとって一番大切な日「新嘗祭」でした。現在では「勤労感謝の日」として祝日に制定されています。「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」として1948年に定められました。それ以前は「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれ、古事記には天照大御神が「新嘗祭」の神事を行った記録が残されています。
新嘗祭の“新”は新穀(初穂)、“嘗”はご馳走の意味を持ち、この日には今でも各地の神社でその年に収穫した新穀(初穂)を神前に供えて、一年の実りへの感謝とともに国家国民の安寧をお祈りします。特に宮中では、天皇陛下自らが新穀によるご神饌(米・粟のご飯のほか、鮮魚・乾魚、果実、白酒・黒酒など)を天照大神をはじめとした神々にお供えして「おもてなし」し、共に新穀をお召し上がりになる「神人共食の儀」を行い、神々との絆を深め、生命力を回復・増進されます。現在では、毎年、宮中三殿の西の神嘉殿において、潔斎をされた天皇陛下が、陪膳女官の奉仕を除いては、お一人で午後6時から同8時までの「夕の儀」、同11時から翌日午前1時までの「暁の儀」を行われることになっています。実に合計4時間、天皇陛下が正座で儀式を行われるこの祭祀ですが、天皇の即位後に初めて行われる「新嘗祭」は「大嘗祭(だいじょうさい)」と呼ばれ、この儀式だけの為に建てられた大嘗宮の中で、新たな天皇として神々をもてなし、食を共にして契りを深め、御力を戴く儀式を完遂することで、「御大礼」と呼ばれる天皇の即位にあたる一連の儀式は幕を閉じます。御代替わりの年、この儀式が多くの報道がされたのは有名なお話です。